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- 作者: 中上健次
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1980/06
- メディア: 文庫
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- 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/08/28
- メディア: 文庫
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麻薬がらみの大金を持ち逃げする男、それを追う殺し屋の話がメインかと思ったら最後に反転する物語。私はつらいときに「死にてー」と思うことはよくあれど、「死ぬより辛い」という気持ちになったことはない。だけども、読んでいて「死ぬより辛い」という気持ちが手にとるようにわかってしまった。人はこの気持ちをごまかしたりやりすごしたり人のせいにしたりするのだけれど、すべて受け止めてしまったらその後に残るのは絶望しかない。のでは。事件がすべて終わった後のベルの告白以降はページをめくるたびに心に刻まれる言葉があった。
すごい本過ぎると私の少ない語彙では素晴らしさが表現できなくて言葉がなくなるのですが、私の読書人生に刻まれた一冊になりました。