枯木灘 (河出文庫 102A)

枯木灘 (河出文庫 102A)

 某店長推薦。人にものすごい薦めておいて、なのに自分は続編の「地の果て至上の時」は読んでいないという事実。
血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)

血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)

 同じく某店長推薦。映画「ノーカントリー」原作。話に衝撃を受けすぎて震えたのは町田康「告白」以来。映画のオチに満足いかなかった人は絶対にこの原作を読むべきだ!(映画は映画でとても面白かったと思うのだけど、アレはアカデミー賞的な映画なのか?)
 麻薬がらみの大金を持ち逃げする男、それを追う殺し屋の話がメインかと思ったら最後に反転する物語。私はつらいときに「死にてー」と思うことはよくあれど、「死ぬより辛い」という気持ちになったことはない。だけども、読んでいて「死ぬより辛い」という気持ちが手にとるようにわかってしまった。人はこの気持ちをごまかしたりやりすごしたり人のせいにしたりするのだけれど、すべて受け止めてしまったらその後に残るのは絶望しかない。のでは。事件がすべて終わった後のベルの告白以降はページをめくるたびに心に刻まれる言葉があった。
 すごい本過ぎると私の少ない語彙では素晴らしさが表現できなくて言葉がなくなるのですが、私の読書人生に刻まれた一冊になりました。