女たちのジハード

女たちのジハード

 最近働く女の生き方系(奥田英郎の「ガール」とか)ばっかり読んでて、コレもそうかなーと思って手をつけたのですが、働くだけではない人生の岐路に立つ女の生き様が描かれていて面白かったです。4人の女の話がオムニバス形式で絡み合っていくのですが、私は弱いダメな女、家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子の描写がすごいと思いました。「ダメ女」ではない女のダメさの視点は女でしかかけないものだなあ。でも男性読者には紀子が人気あるそうです。そういうタイプに惹かれる男は、実際に付き合ったら作中の旦那と同じ捨て方をするくせに!
ららら科學の子

ららら科學の子

 男は殺人未遂に問われ、中国に密航した。文化大革命下放を経て30年ぶりに帰国した男。文革の中に入り込んだ描写、また、日本へ戻ってきたときの主人公の埋めようもない喪失感が印象的。ただ、これは40、50代の人が深く入り込む小説だなあと思いました。世代間ギャップは非常に感じる。なんつうか、世代の責任感ていうか(典型的団塊ジュニアの対団塊嫌悪)。